本物温泉を探す! 高温泉の説明。◆温泉の仕組み意外に知られていない、源泉の造り方。 温泉とは、簡単に言えば地中から湧き出してくる暖かいお湯。 でも、そのお湯が浴槽に張られるまでには、さまざまな過程があるのです。 温泉にもいろいろあって、温度の低いものから、蒸気で噴出してくるものなど、 場所や地形によってさまざまな温泉としての形があるのです。 ◆高温泉 42度以上の温泉を分類上高温泉と呼びます。 ボーリングなどの掘削動力揚湯が多いが、古くからある有名な温泉の大半 は高温泉が多いです。 50度C以上と温度が高すぎると、浴用としては熱すぎて使えず、水を混ぜて 冷却したり、草津の湯畑のように、放熱させてやらなければならず、温度管理 に苦労します。 ほとんど大半の温泉は、水を混ぜて温度調整しています。 水を入れて温度調整する方法は、同時に入れた水の分だけ温泉が増量する ので、安易な方法ですが、源泉が薄まることになり、温泉としての効果はその 分だけ少なくなることになります。 噴気で作る温泉と同様に、高温になればなるほどいろいろな溶存物を含有す るので、冷却するときにスケールが出やすく、熱交換器などの機器をつかった 冷却法を採用したとしても、冷却する熱の交換部分に飽和した溶存物が析出 し、固い結晶を作るので、薬品洗浄などメンテナンスが大変です。 温度の高い温泉ほど、物をよく溶かしますので、砒素や鉛・カドミウムなどの 有害物質を多く含む場合が出てきますので、温度が高ければすべて良いという わけではありません。 高温泉の場合、冷ますのに水を入れるにしても、大量の水が必要です。 そのために、熱交換器というもので真水を温めて、同時に温泉の温度を下げる こともできます。 わたしは、20数年前に90℃の温泉を使って、ホテルの暖房と給湯に成功し、 重油代を1/3にしたことがありました。 塩分が多いと材質にチタン合金などを選択せねばならず、設備投資がかかります。 ●「薄めず!沸かさず!循環させない!」温泉の危険性 42~48℃位の、適温の温泉は水を入れなくてもそのまま浴槽に給湯できます。 しかし、配管の中や、タンクの中に微生物の膜ができ、その中でレジオネラ属菌 が繁殖するために、塩素などの殺菌をしないとすぐに菌の汚染が始まります。 ●高温の温泉が安全か? と言うと、これも断言はできません!! 高温の温泉も、浴槽に注ぐべく温度を下げたところから、レジオネラ属菌の繁殖 の原因である、生物皮膜(バイオフィルム)が出口のほうからジワジワと発生し ますから、殺菌をしないと安全だとは言い切れない部分があります。 ●42℃程度の低温の温泉は、温泉としてはぬるいのでボイラーやヒーティング パイプとかで加温されることが多くなります。 もちろん例外もありますが・・・ ◆低温泉 温泉法では、25度C以上の水が温泉と認められています。 次回は、この低温泉について説明しましょう。 |